『阪急電車』を読んで➖小さな出会いを大切にしたくなる➖

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 読書の秋🍁

 とは言えども、大学始まったらなかなか読めないだらうから、夏休みのうちにたくさん読まなきゃ!夏が終わってるのに夏休みって最高!!

 ということで!有川浩さんの阪急電車読書記録をします!

 

あらすじ

 片道わずか15分の阪急電車今津線。車内の人々のふとしたきっかけが連なり、駅ごとに物語が繋がっていく。

 

感想

 何気ないところに出会いがある。その出会いが大切なことに気づかせてくれたり、人生の分岐点の後押しをしてくれる。

 

よく図書館で見つける気になる人と同じ電車になり、ちょっとした会話から仲が深まった征志とユキ。時江と話して、結婚式の討ち入りをスッキリ終わらせることができた翔子。時江からの素っ気ない忠告と、女子高校生の恋愛話から、DV男と別れる決意が出来たミサ。ちょっとした勇気で話しかけ、付き合うことになった圭一とゴンちゃん。

 

 電車内でのほんの少しの会話で、この人たちの人生が変わった。

 

 女子大生ミサが言った言葉が印象的だった。

「価値観の違う奴とは辛いと思えるうちに離れといた方がええねん。無理に合わせて一緒におったら、自分もそっち側の価値観に慣れてしまうから。」

  全くその通りだ。

 周りに流されなくていいんじゃないか。自分は自分の価値観持ったままでいないと個性が潰れてしまう。もうすでにだいぶ潰れているけど。

 

 こんな大切なことを、同じ車両に乗っていただけの関係の人が教えてくれる。

 一期一会な出会いの人からの方が、言われたことが響いたり、鋭く刺さることがある。

 

 ちっぽけな勇気で、すてきな人に出会える。友達になれる。

 

 友達を作れるのは、大学とかサークルとか狭いコミュニティーだけじゃない。

 いろんなところに出会いがあって。出会うためのきっかけもあって。そして、出会いたいステキな人がいる。友達になりたい人がいる。

 何気ないところに幸せがある。

 

 この物語の人たちのように、偶然の出会いを大切にしたい。 

 

そして、そんな出会いをくれる電車って素敵だなって思った!

 

 電車に一緒に乗っている人たちは、みな別々の場所から来て、別々の方向に向かっていて、老若男女異なっていて、全員違う事情、人生を待っている。

 そんな異なる人々と同じ車両、隣の席、向かいの席になるなんて、なんかすごくない?

 語彙力NASAの極みで伝えられないけど。

 

 

 私のように、いつも同じ電車に乗って、同じように揺られて、下向いてスマホを触ってたら、この人たちのようなステキな出会いは起こらないだらう。

 

 電車で隣の席の人と話すなんてこと、無いに等しかった。恥ずかしさもあるし、他人だから話すことなどないという気持ちもあった。

 でも、例えばよく同じ場所で見かける人がいて、その人と一言も交わさないうちに会えなくなってしまったら、悲しいしもったいない。

 

 小さな出会いを大切にしたい。

 

何かの縁で同じ場所にいるんだ。

 

電車でスマホばかり触っていないで、面白いものがないか外を探してみたり、外の景色に素直に感動してみたら、人間観察をしてみたり。困っている人がいたら声かけてみようと思った。

 

小さなきっかけが生活に彩りをくれる。

 

そんなことに気づかせてくれた、あたたかい本でした。